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床暖房のメリット・デメリット|後悔者続出!本当はいらない床暖房

冬の寒い時期に大活躍する床暖房は一度は憧れる設備かと思います。そんな床暖房ですが、メリット以上にデメリットが大きいということを皆さんはご存知ですか?そこで本当はいらない床暖房についてまとめてみました。

床暖房の仕組みを知ろう

床暖房は、床を温めることで伝わる熱が足元を温め、その熱が空気を伝わり移動する事で暖房をする設備のこと。

どのようにして床を温めているのかというと、温水が床下で循環する温水式と電気で温める電気式の2種類の方法があります。床材と一緒になった一体型、床材とは別々の分離型といったものが各メーカーより販売されています。

温水式

温水を作るための熱源が電気、ガス、灯油の3種類のあり、3種類の熱源で温められた温水は、床下の配管を循環します。

出典:ダイキン(ヒートポンプ式)ー床暖房の基礎知識

電気式

電気式の床暖房は電熱線を床下に張り巡らせることで床を暖めます。ホットプレートを想像するとイメージしやすいかと思います。

電気式の床暖房は、電熱線ヒーター式、夜に熱を蓄えておきその熱を放射する蓄熱式、面状またはチップ上の発熱体で床面を温めるPTCヒーター式(パナソニック)があります。

価格(1㎡あたり)

例として、パナソニック(ヒートポンプ式床暖房/プランA)を参考にして計算していきたいと思います。

計算に必要な項目

・床材ありでの部材費合計が1,269,500円(税別)

・主な仕様のLDKと洋室の面積の合計 33.06㎡(10坪)

さっそく計算していきたいと思います。まずは、1㎡あたりの単価を計算します。

(部材費合計)1,269,500円 ÷ (LDKと洋室の合計面積)33.06㎡ = (1㎡あたり)38,399.879円

1㎡あたり約38,400円という計算ができました。1坪あたりに換算すると約127,100円となります。

仮に10畳に敷設するのであれば、1坪=3.31㎡で計算すると、

10畳 = 5坪 × 3.31㎡ = 16.55㎡ × (1㎡あたり)38,400円 = 635,520円

となり、10畳分の設置で約640,000円の部材費が掛かると計算することができました。

もし100㎡(30.21坪)の住宅に全館暖房として導入する場合には、約3,840,000円の部材費のほかに施工費などが追加されます。

※1坪=1.82m×1.82m(およそ畳2枚分)=3.31㎡

※あくまでも目安で、簡易的な計算です。建物の大きさや、どのくらいの面積に設置をするかなどにより価格が変動します。

本当はいらない床暖房のメリット・デメリット

メリット

足元が暖かい

暖かい空気よりも冷たい空気が水分を多く含んでいるため、冬場はどうしても冷気が足元に溜まってしまい、足元が冷えてしまいます。

しかし床暖房はその冷えた足元を温めているからスリッパも要らず、裸足でも快適です。

安心

電気ヒーターや反射式ストーブなどとは違い高温にならず、触ってもヤゲドも心配はありません。小さなお子さんや年配の方がいても安心・安全です。

掃除がしやすい

本体が床の上に置いてある訳ではありませんので、動かしたり避けたりする必要がありません。また、寒い時期が終わったときに片付けたりすることもありません。

風が出ない

床下で温水が流れている・電熱線を敷設しているだけなので暖かい風が出ず、ホコリが舞い上がりにくくいのが特徴です。

デメリット

初期経費が高い

100㎡(30.21坪)で約385万円(※目安)かかります。さらに施工費などが別途かかります。そのため床暖房導入を断念する人も多くいます。

立ち上がるまで時間がかかる

スイッチを入れてから約1時間で快適な温度になります。コンクリートに埋設している場合だと、暖かくなるまでに3時間かかることもあります。

床の表面温度が高い

床暖房の表面温度が約30℃まで上がるなるため暑くなりやすく、低温やけどの恐れがあります。

ISO(国際標準化機構)の冬季における快適条件によると、「床の表面温度が26℃以下」という項目があり、床暖房使用時の床表面温度は約25~30℃と高くなるため快適とは言い難くなります。

メンテナンス費用がかかる

使用していると水分が減ってしまうため、年に1回、稼働させる前に不凍液の補充をしなくてはいけません。また5~10年に1回、不凍液の全量を交換しなくてはいけません(地域により、不凍液が水道水の場合があります)。

そして熱源の機械も目安として10年に1回、交換する必要がありますので長い目で見たときにそれなりのメンテナンス費用が掛かってきます。

不凍液の購入する場合にも約5,000円〜1万円程の購入費用も発生してきますので、寒い時期は出費が重なってしまうこともあります。

修理費が高額

故障などにより修理が必要になった場合、どの程度の故障なのかにもよりますが不凍液が漏れた場所が悪いと床暖房の修理のほか、床も壁も修理しなくてはいけません。

何よりコンクリートに埋設しているタイプは修理が大掛かりなるうえ費用も高額になります。最悪の場合、修理ができないなんてことも・・・。

床暖房を導入して後悔する理由

数年後、使わなくなる

電気代の請求額を見てあまりの高さに驚き、その結果として使わなくなるという人が続出しています。そしてここ数年の電気代も値上がりが続いており、前年と同じくらいの使用量でも電気代が数百円から数千円高くなっていることも大きな要因でなないでしょうか。そのため、来客があったときにしか使っていない人も少なからずいます。

スマイラボ(http://www.sumai-lab.net/2017/04/7950/)の床暖房に関するアンケートによると築11~20年では約3割が、築21年以上ともなると半数以上が「持っているけど使っていない」という結果になっています。

そして最近の住宅は昔に比べて隙間が少なく断熱性能も良くなった住宅ということもあり、床暖房が必要なかったといったような人も多いのです。

メンテナンスが大変

床暖房の寿命は30~50年と言われています。ほぼメンテナンスが不要と言われていますが、不凍液の補充や交換も定期的に行わなければいけません。

自分自身でメンテナンスをするに越したことはありません。しかしメンテナンスが不十分だったり長い間怠ると配管がさび付いたり詰まったりすることもあります。

万が一そうなった場合に床暖房そのものが機能しなくなることもありますので、やはり定期的にメンテナンスを行うことが必要です。

まとめ

本当はいらない床暖房のメリット・デメリットについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

確かに床暖房は足元が暖かくて快適かもしれません。しかし長い目で見たときにランニングコストが掛かるのも事実なのです。

床暖房導入に掛かる費用を断熱や気密などの住宅性能に充てると、床暖房がなくても足元まで暖かいだけでなく、住んでからの床暖房のメンテナンス費用も掛からないので故障時など大きな出費もないうえ、電気代も抑えることもできます。

床暖房のメリット・デメリットを知ったうえで、これからの家づくりで後悔しない選択をしてくださいね。

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