社長ブログ

私が思う、本当に暖かい家とは|暖かい家の価値と原点

高性能住宅と売り手・買い手のギャップ

銀行員から断熱パネルを作る製造業へ転職

平成20年4月、株式会社ジョイ・コス佐藤社長に誘われるがまま入社した。

前回の記事にも書いてありますので、まだそちらを読まれていない方はそちらを先に読まれることをオススメします。

前回の記事はコチラ→野球少年だった私が、住宅を手掛ける理由

入社後のポジションは総務ではありますが、銀行でもしていた営業を中心ににすることになった。

主な仕事は、事務局として全国各地にいるジョイ・コス工務店倶楽部の定例会・研修会の準備、運営。

研修会の様子

青森、秋田、岩手、宮城、山形で各県、2か月に1回定例会・研修会を開催し、各県のメンバーのサポートと販路拡大の営業エリアは岩手県と秋田県の県北を担当。まさに東北5県を走り回る営業仕事となった。

ジョイ・コス工務店倶楽部とは

「ジョイ・コス住宅システム」をもって健康・安全・快適な住環境と、省エネ性を追求した丈夫で長持ちする社会財産としての価値を持った住宅造りを目指し、地域社会に貢献していく事を目的とした、ジョイ・コス住宅システムを取扱いしている地域工務店の団体です。

また、当時は工場も稼働したばかりで人員が少なく、断熱パネルの注文が重なった時など工場のお手伝いをする工場の仕事もあった。その中でジョイ・コスパネルの構造、製法を学んでいった。

一棟一棟図面に合わせて制作されるオリジナル断熱パネルは、断熱性能の裏付けであり、天然素材の炭化コルクを使用した床パネルは付加価値の高い商品だと改めて実感したことを覚えている。

株式会社ジョイ・コス工場

理解してもらえなかった高性能住宅と工務店との温度差

株式会社ジョイ・コスに入社後、何といっても営業が一番大変でした。特に営業先での説明だった。

住宅ローンなどはプロでも、建物を作る事に関してはド素人。納まり(どの様に組み立てれれるか、仕上がりなど)と言われても何が何だか分からない。今まで使ったことのない建築用語が飛び交い、何のことか分からず苦労しました。分からないから、うまく説明できない。

ジョイ・コス住宅システムの事は社内で勉強して理解していたが「ここはどうなるの?」に的確に答えれなくて必死に建築用語を勉強した。

その頃の思いから、今はお客様とお話しする際に「〇〇とはここの事です」などと過去に自分が分からなかった言葉や、私たちが今当たり前に使っている専門用語など、一般の方が初めて耳にするような言葉には説明をつけて話を進めるようになりました。

先にも書きましたが、ジョイ・コス住宅システムについてや省エネについての勉強は、他のジョイ・コス工務店倶楽部の方々と一緒に聞いた研修会。銀行員時代の研修と比べても内容は素晴らしく、今まで勉強したことのない分野。知らない事を聞く楽しみがあった。

身に付いたのは、岩手でやった研修会を秋田や青森など他県でも行うため、同じ研修を最低5回は聞いていたからではないだろうか。

各県、定例会・研修会を開催

入社から1年ほどで、つまずいている方をサポートできるくらいの知識は身に付いたのでないかと思う。

断熱材の性能についてや、住宅ごとの断熱性能の計算、暖房機の計画、24時間換気の計画ができるようになり、各地に建築されるジョイ・コス住宅システムの住宅が研修会で説明されている通りの住宅になっていく。その住宅に住まわれた方から届く、「ジョイ・コス住宅システムの家を建てて良かった」とお喜び声や、住み心地などを聞くと気持ちが高揚した。

その頃、ジョイ・コス入社前に自宅を大手ハウスメーカーで建てていた私が、ジョイ・コスで勉強して自宅がすっかり色褪せてしまい、こんなに良い住宅なら売れるだろうと勇んで営業をしていた。

しかしこの業界は、性能の良い家を建てたいという工務店よりも、安く売れる住宅を建てたい工務店の方が多いというのが分かり愕然とした。

建物にこだわっている割には実態が追い付いていない人や、建て主さんの建物への想いなど、お金次第といった何とも言えない思いを沢山した。

商売だからといって、どこまで許されるのか?そんな考えがずっとあった。

建材会社ではできないこと

私が株式会社ジョイ・コスに入社してから、リーマンショック、東日本大震災などの大きな景気を左右する出来事がありましたが、工場の生産体制も軌道に乗り、売上も上向いてきた時に当時の拓三建設の藤田好造社長(現会長)より「後継者が育たないので、育てるために事業を手伝ってくれないか」とのお誘いを受けた。

左:(株)ジョイ・コス 佐藤社長 右:(株)拓三建設 藤田社長(現会長)

営業で訪れた工務店さんから「ジョイ・コス住宅システムを売るのは難しい」と言われ、断られた経験も数えきれないほどある。

「本当に売れないのか?」それが自分の中でずっと引っかかっており、売ってみたいと思う自分がいた。

株式会社ジョイ・コスは炭化コルクと硬質ウレタンの複合断熱パネルを主たる商品とする「建材会社」の形態をとっているため直接住宅の建築はしない。建築するのは工務店だ。

しかし、株式会社ジョイ・コスの佐藤社長に拾ってもらった身。両社長に委ねる事にした。その結果、拓三建設のお手伝いをすることが決まったのである。

(株)拓三建設社屋

本当の暖かい家の原点はジョイ・コス住宅システム

予算ありきの工事ではいけない

拓三建設に入社したばかりの頃は、住宅の営業はほとんど社長だけで、紹介や内覧会で建てたいといったお客様が多かったように思う。

プランや予算もすべてお客さん任せであったため、予算ありきの工事が行われていたのが現状だった。

そのためリフォーム工事で「予算がないから」と断熱材を入れていなかったために起きた、様々なクレームの電話が毎日のように掛かってきていた。

不思議なもので、一度クレームがつくと自分たちが関わっていない部分までもクレームが来るのである。一度不手際があるとすべてが我が社の仕業かの如くお客様は思ってしまう。

そんな中、誠心誠意対応しながら思ったのが「たとえ小さなリフォーム工事でも、当社が手掛けた部分は後で問題が起きないように施工しなければならない」ということ。

リフォーム工事に限らず、新築住宅も最低限の性能を決めて取り組まなければいけない、と心に誓った。

価値観の違い

とはいえ、当社の性能を決めて住宅を建てたかったが、社長(現会長))は「予算が無いんだから仕方無いんだ、他の会社はもっと安く建てるぞ」と言って、性能も予算も落として営業をしてくるため、計画するのが大変だった。まさに「安く売れる住宅を建てたい工務店」そのものだった。

「『坪○○円、30坪の平屋、和風』でと話決めてきたから」と社長に言われたは良いのだが、坪○○円は総二階の坪単価だった時の衝撃は忘れない。しかも平均坪数より小さく、和風となれば費用はかさむ。

「この金額ではジョイ・コスでなくても無理です。」と言うと「何とかするのが腕の見せ所だ!」と言われた。けれど材料や職人への手当て等を考えても、どうしても難しい。最初に約束した金額に収まらなかったため、話はなかったことになった。

お客様に満足いただくために必要な最低限の性能を理解して頂けてたとしても、予算が合わず、「こんなに高いの!?」「聞いていた話と違う!」とお断りされることもあり、残念な思いをしたこともある。

社内ルールの見直しと譲れない想い

私が社長になり、誓ったことは「当社が建築する新築住宅は、すべてジョイ・コス住宅システム標準仕様以上の性能とする」こと。また、リフォーム工事に関しても「断熱改修の提案を必ずする」こと。この2つを社内ルールとして取り組むことにした。

当社を信頼して工事をご依頼いただくのですが、本当の意味で当社の建てる建物をお客様が評価するのは、実際に住んで生活してからだと私は思っています。

見た目がいくら綺麗でも、熱い、寒い、結露といった問題は、住んでいる人からすれば不快な思いをしたり、ストレスになる。これが健康的な住宅といえるでしょうか?

※イメージ

だから見た目以上に性能にこだわり、お客様の快適を追求する。そしてお客様に住宅性能や費用について納得していただいたうえで建築をする。

他社と価格競争をするつもりは一切ありません。

見える所は後から直すことができるし、見える所の不具合はほぼ解消できます。住宅は見えないとこをしっかり作ると、長く快適に使えるようになります。

私が社長になってから新築したお客様から「電気代も安くなって、しかも冬は暖かい!」とお喜びの声も届いており、本当に暖かい住宅を建ててよかったと、私も嬉しく思っています。

最後に

私の考える住宅像がカーボンニュートラル、地球温暖化防止の観点から2025年には義務化されます。

義務化されるずっと前からジョイ・コス住宅システムは存在しています。

ジョイ・コス住宅システムの販売に関わっていく中で、自分の建てた自宅が色あせてしまったり、「建てたけど寒い。どうしたらいいの?」と相談しにいらっしゃる方を何人も見てきました。

建ててから相談に来られても、正直どうすることもできません。

私たちができることは「建ててからどうすることもできない、見えない部分を手を抜かず丁寧に施工すること」だと思っています。その原点がジョイ・コス住宅システムです。

だから当社の建てる家は、夏涼しく、冬暖かく、光熱費も安く、健康に暮らせる家。

そんな住宅に住みたい方と真剣にその住宅を実現するためのお手伝いを、これからも続けていきたいと思います。

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