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気密社長のSDGsへの取り組み|個人レベルでできることは何かを考える

昨今、SDGsやらカーボンニュートラルやらと、新しい取り組がスタートしています。しかし、その取り組みのゴール地点は地球規模です。カーボンニュートラルもSDGsの中の一つですが、どうしたらいいのか、どう考えたらいいのか分かりませんよね。

そこでカーボンニュートラルについて私の考えや、何ができるかをここに綴っていきたいと思いますので、どうぞお付き合いください。

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、私たちの日々の生活で排出されるCO2を地球上の植物が吸収できる量まで減らす事を目標としています。

どのような行動を起こすにしても、どのくらいエネルギーを使っていて、どのくらいエネルギーを作っているのかを把握できていないと節約するにしても、雲を掴むような話だからです。

私自身への置き換え

それでは、私自身に置き換えていきます。私は妻と母と娘(成人)の4人で暮らしています。私の家族が使っているエネルギーを4で割って私個人のエネルギー使用量を出して行きたいと思います。私個人にエネルギーメーターはなく、住宅や車など共有している物も多いため、次のような考えかたで進めて行きます。

実際商品を買ったとして、商品製造過程や物流でエネルギーを使いますが、商品を製造、販売、物流などの事業者側が事業としてカーボンニュートラルに取り組む持ち分との考え方で、仕事で使うエネルギーは会社が取り組むカーボンニュートラルとし、個人の生活でどのくらいかを計算してみました。

単位の変換

まずは一般家庭における、年間使用エネルギ-を全てkWhに換算して単位を統一していきたいと思います。自宅で作れるエネルギーが電気だけなので、電気に使われている単位にします。

エネルギーの種類と換算値は以下の通りです。

  • 電気 1kWh = 1kWh
  • プロパンガス 1㎥ ≒ 約27.9kWh
  • 灯油 1ℓ ≒ 約10.1kWh
  • ガソリン 1ℓ ≒ 約9.2kWh
  • 軽油 1ℓ ≒ 約10.5kWh

以上が一般の家庭で使われているエネルギーです。

我が家の場合

それでは我が家の場合を計算していきます。

我が家は建物床面積が80.96坪です。その内オール電化区画は38.08坪で灯油暖房区画が13.52坪です。数字が合わないですよね。

我が家には1年間で数時間しか暖房しない座敷といわれるお部屋がありますが、灯油暖房区画に含みません。昔の家を増築、改築して今の形になった住宅なので、母の部屋のみ灯油暖房の区画になります。

我が家は電気と灯油だけを使用しています。

年間灯油購入量

約400ℓ × 10.1kWh = 4,040kWh。電気に換算すると約4,000kWhを電力会社から買って使っていることになります。1か月あたり約335kWhです。

購入電気量

電力会社から購入している電力量は、16,834kWhです。

単純に一年間の電気料金の請求書の使用量の合計です。(自家消費分は考慮していない約2,500kWh(➁※下記で使用します)くらいあると思われます)

合計

年間灯油購入量 4,040kWh + 購入電力量 16,834kWh = 合計 20,874kWh(①※下記で使用します)

ゼロエネルギー住宅(以下ZEH)は①(灯油・電気の購入量の合計)が太陽光発電で作った電気より少なくなるのがZEHの基本的な考え方です。

実際の使用量や発電量は建築前には分からないのですが、断熱性能、使用設備のエネルギー効率、地域ごとの太陽光発電の発電量などの基準が設けられいて、計算上基準をクリアした住宅をZEHとしています。

当社で建築したZEH住宅は実際も発電量を使用量が下回っていますが、気密社長の住宅は残念な住宅なので断熱性能が基準を上回っておらず、ZEH住宅ではありません。

話を戻しますが我が家も10.2kWhの余剰発電太陽光発電システムがあり、年間で売った量は7,544kWhです。買っている量に全然足りていませんよね!

また、私個人は生活で自動車に乗りますし趣味でオートバイに乗ります。どちらもエネルギーを使いますよね。仕事で運転する部分は除いて計算してみます。

計算内訳は下記をご覧ください。

車両情報年間走行距離Ⓐ平均燃費Ⓑ使用燃料相Ⓐ÷Ⓑ区分
通勤車(ハイブリット車)1800cc通勤のみ約 2,440km20km/ℓ122ℓ生活
H2年式趣味の車 1600cc約 2,000km10㎞/ℓ200ℓ趣味
娘の車 660cc約 5,000km20km/ℓ250ℓ生活
妻の車 660cc約 10,000km20km/ℓ500ℓ生活
バイク№1 1000cc約 5,000km20km/ℓ250ℓ趣味
バイク№2 250cc約 4,500km30㎞/ℓ150ℓ趣味
バイク№3 250cc約 5,000km30㎞/ℓ167ℓ趣味
合計約 33,940km20.7km/ℓ1,639ℓ 

年間使用ガソリン

約1,639ℓ × 9.2kWh ≒ 15,079kWh(③※下記で使用します)

エネルギーの単位を合わせると住宅と車両がいかにエネルギーを使っているかが分かります。自家消費した太陽光発電分も換算すると、私の家庭では1年間で使ったエネルギーの総量はおおよそ23,400kWhくらいになります。

趣味でもエネルギーを使っているので、生活と趣味を分けたいと思います。(自家消費は考慮しない)

厳密には妻や娘の車は生活のためだけでなく、休日のドライブ等もあるのできっちり分けることはできませんが、イメージとして捉えてください。

生活に使っているエネルギーは 872ℓ × 9.2kWh ≒ 8,022kWh です。生活に必要なエネルギーですが、節約の余地はありますか?

趣味に使っているエネルギーは 767ℓ × 9.2kWh ≒ 7,056kWh です。豊かな人生を送るために使っているエネルギーですが、節約しなければいけないでしょうか?

実は車やバイクはハイブリット化や排ガス規制により年々燃費が向上していますので、我が家の古い車以外はそこそこ省エネの車です。

昨今話題の電気自動車は1kWhで6km走ると言われていますので、ガソリン車の燃費に直すと9.2kWh×6km=55.2kmとなります。ハイブリット車と比べてもかなり省エネといえますよね。

しかし電気自動車はCO2を排出しないとはいっても、充電する電気がどんな発電方法で作られているかでCO2の排出量が変わってきます。手放しでCO2の排出量ゼロとは言えないのが実情なのです。

話を戻して、私個人が個人生活で使っているエネルギーは、①(灯油・電気の購入量の合計)+➁(自家消費分)+③(年間使用ガソリン)= 38,453kWh(④)です。

④(①②③の合計) ÷ 4人 ≒ 9,613kWh という事になります。このエネルギーを太陽光発電で作りだそうとすると、一人約10kWhの太陽光発電システムが必要となります。

当社ではZEHなどの省エネルギー住宅の建築のほかに、創エネ設備として太陽光設備の販売も手掛けてきました。それは発電設備を知らなければZEHの住宅の設計ができないからです。当然太陽光発電を設置した図面を書かないと、太陽光発電が設置できず、ZEH住宅とならないからです。

過去のブログにもありますが、低圧の50kWh未満の全量売電設備も数多く手掛けてきました。

しかし低圧50kWh未満の全量売電契約はできなくなり、これから契約する場合は余剰売電のみとなりました。しかも住宅の場合、電気の契約容量に近いkWhまでしか太陽光が上げれません。また、FITの買取単価が下がったため近年太陽光発電は元を取れなくなったとの間違った情報が出ています。

買取単価が下がっているのと同じで、設備コストも下がっていますので7年~20年で元は取れる状況です。この幅は発電した電気を全て自分で使ったら、支払わなくて済んだ電気料金7年分で設備コストと同じくらいになります。

発電した電気を全て売ったら20年で設備コストを超えます。どちらも極端な例なので、14年前後で元が取れると思います。発電した電気をいっぱい使える家庭が早く元を取るといったイメージでしょうか。

また、20年で売電金額と買わない電気料金の合計は設備投資額のほぼ2倍以上になると思われます。電気料金も高くなっていますので、買わないお得が今は大きいのではないでしょうか。電気料金が高くなればもっと早く元を取るかもしれませんね。ご興味のある方は当社にご相談ください。

当時はSDGsやカーボンニュートラルなどの言葉はありませんが、国の事業として再生可能エネルギーを固定買取して普及を後押しする事業が始まり、省エネルギー関連なので当社も事業として取り組むことになりました。

「売る側が使っていないものをユーザーは信用してくれない」と思い、自宅に47.175kWh(2014年6月稼働)を設置しました。当時も20年で設備投資額の2倍の売電金額予想でしたが、実際に宣伝文句通り平均1/20年平均の売電を刻んでいます。

固定買取期間が終わっても機械が壊れていなければ、電気を作り供給する事ができます。仕事のためとは言ったものの、今思えばやってて良かったと思います。これで私個人は持続可能な17の取り組みのうち1つを持続する事ができます。

約47kWhの太陽光が作り出すエネルギーは年間おおよそ48,231kWhです。これを踏まえて下の表をご覧ください。

創エネの部

発電売電量kWh

(自家消費は含まない)

エネルギー使用の部

使用エネルギーkWh

(自家消費は含まない)

余剰発電10.2kWh7,544kWh住宅20,874kWh
全量発電47.2kWh48,231kWh自動車・バイク15,079kWh
合計Ⓐ55,775kWh合計Ⓑ35,953kWh

我が家で使うエネルギー以上のエネルギーを作り出しでいることが分かります。SDGsのカーボンニュートラルは全ての人にここまでを求めているのではありませんし、私もここまで考えて発電設備を設置した訳ではありません。結果がたまたまこの様になっているのであって、国が狙っていた事はこういう事かと今になって思います。

個人がCO2の排出しない電気を作る事で、その分発電所でのCO2の排出を抑える事ができるという理屈ですね。低圧の全量売電ができない今、私が考える個人レベルで取り組める事をお話します。

個人レベルで取り組めること

個人レベルでどうにかできる問題ではありませんよね。なら、個人でできることは何かあるでしょうか。

実は住宅をZEH化する事は個人レベルでは可能です。新築住宅をZEHにしたり、リフォームによるZEH化も可能です。しかも、太陽光発電で住宅で使用するエネルギー以上のエネルギーをCO2排出ゼロで作り出すのですから、カーボンニュートラルに貢献です。

2025年度から新築される住宅の断熱性能が義務化されることが決まりました。必要な性能値はZEHで欲求される断熱性能です。太陽光を設置すればゼロエネ住宅が出来上がるといった仕組になります。

基本的にエネルギーは再生可能エネルギーで作らならければいけないので、発電量の数値データができあがっている太陽光発電のみが、ZEHにおいて認められています。

新築住宅を検討している方

ステップ1 住宅の断熱性能を上げましょう

住宅性能がきちんと把握できていないと、使うエネルギー計算ができません。

使うエネルギーが把握できていれば、あとで必要な太陽光発電の設置でZEHとなります。住宅性能が上がれば暖冷房に使うエネルギーが少なくなりますので、ZEHで必要になる太陽光発電設備の大きさが小さくなります。

自宅で消費するエネルギー以上のエネルギーを作れるため、さらにカーボンニュートラルに貢献できます。

ステップ2 エネルギーを作り出せる太陽光発電設備の導入

ステップ1ができていれば、いつでも設置可能です。

現在のFIT制度では設置費用は14年前後で回収できるので、20年以上の利用で設置しないより電気料金はお得になります。

住宅で消費するエネルギー以上の太陽光発電設備を設置すれば、ZEH住宅となります。

ステップ3 蓄電池システムの導入

蓄電池システムの導入することで、より、自宅で作ったCO2排出ゼロの電気エネルギーを売らずに使うことができ、自給自足に近づくことが出来ます。

もうすでに住宅はあるという方

住宅はあるという方は、ステップ2とステップ3をご検討下さい。ZEHをクリアできる方とそうでない方がいらっしゃると思いますが、自宅でCO2排出ゼロのエネルギーを作り出しカーボンニュートラルには貢献できます。

住宅性能に関係なく設置費用は14年前後で回収可能ですので、ステップ2から検討してください。ステップ3でより、自給自足に近づきます。

まとめ

普段の通勤などの移動で電車、タクシーしか利用しない人は住宅がZEHであればカーボンニュートラルです。電車やタクシー事業者が、SDGsに取り組まなければならないからです。

ただ、岩手県ではなかなか電車やタクシーのみでの生活は難しいのが現状です。エネルギーを購入した明細や車の走行距離などから計算出来るように換算表作ってみましたので、興味のある方計算してみて下さい。

もちろん、スッテップ1~3を同時におこなっても構いません。どのステップもカーボンニュートラルに貢献し、存在し続ければSDGsです。

見た目のデザインも大事ですが、本物の省エネ住宅を持つにはカーボンニュートラルを意識した目に見えない省エネデザインも必要です。